感想その8(藤枝上映より)

現在、静岡大学で近現代日本文学を教えているNさんより感想をいただきましたので、ご紹介させて頂きます烈
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「デルタ」をみてきました。
手許に「ハシッシ・ギャング」の原作は持っていたので、
行きの電車で読んでからみました。
二作目の主演の方の演技と、地元の方の方言がよかったです。
母(藤枝出身)に映画の内容を話したところ、
知人(90歳)が、終戦前、大井川の飛行場に勤務(?)していて、
駅前の青島旅館に泊まったらしい、と言っていました。
母がみたら思い出すこと、懐かしい場所がいっぱいあるのだろうと思います。
小川国夫について。
「内向の世代」らしい、男(複数)/妄想(性的)的存在である女、
という構図が三作ともに(強弱の差はあれ)見られ、
と同時に、戦中派らしい、戦争の記憶という問題が前二作に見られたことが
興味深かったです。
小川国夫は、作風は「内向の世代」的ですが、
実際の作家の年齢(世代)はもう少し上ですよね。
「内向の世代」の作家は、敬遠しがちだったのですが、
これを機に、少し読んでみようと思います。
全体に、オムニバスという形式がよかったです。
小川国夫も、短篇のうまい作家という印象です(長篇もありますが)。
Nさんより
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ありがとうございました!