shellsongイベント概要

<スケジュール>
11:45~開場 
12:00~映画「デルタ 小川国夫原作オムニバス」上映
13:15~休憩
13:30~朗読パフォーマンス、対談
<概要>
『”shellsong” 耳よ、貝のように歌え』と題し、映画「デルタ」の上映と、朗読パフォーマンス、そして対談の三本立てのイベントを行います。映画「デルタ」は三本の短編からなるオムニバス作品ですが、小川国夫の原作を基にしているという点以外に、ある共通項があります。それは「幻聴」を描いているということです。「幻聴」というと薬物依存者や統合失調症の患者に貼られる悪しきレッテルというイメージがありますが、耳は常に「幻聴」にさらされているのだと思います。不意に口ずさんでしまうメロディー、季節の移ろいを伝える風の音、忘れられない人の声・・・・・・。三本の短編映画は異なるアプローチで「幻聴」を追いかけています。
朗読、そして対談でも映画と同じく「幻聴」を追いかけます。敢えて映画、そして朗読との関わりが見えにくい湯浅学さんと倉田めばさんを迎えたのは、二人が活動の根底に「幻聴」を追いかけて来られたと考えたからです。ともに「幻聴」を追い求めることで、生を豊かにしてきた二人と言っていいかもしれません。朗読では小川国夫が用意した言葉を、二人の朗読者の声に預けて届けていきます。二人の声だけが響き合う時と場を用意していきます。
ただ一つだけそれ以外に提示するものとして、湯浅学さんにギターを弾いてもらいます。具体的に言語化し得えない音楽によって、朗読により創られた世界をもう一度海に返し、私たちの耳を揺り動かすことが出来れば、そこで初めて耳は貝のように歌うのかもしれませんし、それを「幻聴」と呼ぶことが出来るのかもしれません。
声と耳、言葉と音、私たちが発するものと受けるもの、それらの関係を見つめる機会としていきたいと思います。